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生産プロセスのDX実現に向けた約50ものデジタル技術をラインアップ
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最先端のデジタル技術を、現場で自在に使いこなす未来。
大成建設では、これまでに生産プロセスのDXに向けた多数のデジタル技術を開発・運用しています。そうした個々の技術をBIMに紐付けたパッケージとして導入することにより、現場ですぐに使え、実効性が実感できる省力化などといった生産性向上を実現することができました。建築現場においては、計画通りに進めるためには事前の段取りが大変重要で、フロントローディング(※)の実践が有効となります。最先端のデジタル技術を集結させた現場は、施主、作業員を含め、誰にとっても心地良いものです。
※フロントローディング:工程上、前倒しが可能な工程を初期段階で進行すること。
※フロントローディング:工程上、前倒しが可能な工程を初期段階で進行すること。
設計施工・FULL BIMと統合ワンモデル
BIMデータを一貫して活用し、情報共有を効率化。
建築設計ソフトウェア「Revit」のデータを、他のBIMソフトデータへ連携させ、施主との確認や専門工事業者との情報共有などにも流用。従来のようにCADを併用するのではなく、最後まで徹底してBIMデータを使い続ける体制(FULL BIM)を構築し、現場の作業の効率化を実現しました。資機材搬入の際の物流との連携にも展開し、資機材の混載などによる物流コスト削減にも結び付けました。さらに、施工計画時に3Dを活用することで共通のイメージを持ちやすく、認識の不一致を避けることができました。
主なデジタル関連技術
- 専門工事業者とのデータ連携(設計データを連携して干渉などのチェック)
- デジタルモックアップ(バーチャルな空間で素材の質感や色彩を確認)
- 3Dの立体視スクリーンを活用した施工周知検討会(現場作業者との打ち合わせ)


技術開発部門との連携
最新デジタル技術の活用をスムーズに。
技術開発部門との連携を実施。専門知識を有する社員のアドバイスはもちろん、先進のデジタル技術を積極的に現場へ取り入れることで、業務の効率化を実現しました。例えば、実際の構造物に配管データをARで重ね合わせた検証。現場内を網羅するWi-Fi環境整備や位置情報データの活用により、膨大な人員と機材の稼働状況のリアルタイムで可視化。「T-iRemote Inspection」を搭載した四足歩行ロボットの導入による、現場監督が遠隔から現場巡視や作業員との会話を実施――のように、各作業工程に先進的なデジタル技術を導入し、現場の生産性向上や省人化を図りました。
主なデジタル関連技術
- ARによる配管スリーブの位置確認(既設の床壁などにバーチャルの配管を重ねて干渉を確認)
- 現場内Wi-Fi・位置情報・IoT可視化の標準環境整備(「T-BasisX®」導入)
- 四足歩行ロボットによる現場巡視(「T-iRemote Inspection」導入)
- ブラウザで稼働する配筋検査(BIMデータと検査内容を紐付けてブラウザで容易に検査)
- 3Dスキャンによる点群活用検証(配筋と既存構造物の取合を検証)


作業所独自のDXに向けた取り組み
なじみ深いツールを見直し、すぐ始められるデジタライゼーション。
最新のテクノロジーだけにこだわらず、すでに日常的に使用しているOffice 365ツールを積極的に活用しました。そのため誰でもすぐに抵抗なく使えて、コストをかけずに展開することも可能です。いわば“真似しやすいデジタライゼーション”と言えるでしょう。現場においては、こうした“すでにある技術”を工夫した業務改善こそ真価を発揮しました。作業工程に先進的なデジタル技術を導入し、現場の生産性向上や省人化を図りました。
主なデジタル関連技術
- 安全日誌のペーパーレス化(「Excel」をクラウド上で管理して共有)
- 毎日の工事打ち合わせ(「OneNote」による共有)
- 朝礼・現場巡視のリモート化(「Teams」ビデオの活用)
- 体調管理チェックシート、高所作業車作業前点検シート(「Formsアンケート」の活用)


多様な分野の約50の技術をラインアップ
最新のDX・デジタルソリューションの活用をスムーズに

数々の技術から、現場に応じた最適な組み合わせを。
“生産プロセスのDX実現”に向けて約50もの先進的なデジタル技術をパッケージしたことによって、設計BIMデータの二次利用が進み、ひいてはFULL BIMが本質的な真価を発揮することができました。それは現場全体の情報共有を推し進め、“よりよい段取り”につながり、さらなる効率化・合理化をもたらしました。
パッケージ化とはメニュー化でもあります。状況に応じて技術の最適の組み合わせを実現することで、現場のシステム化はさらに進化していくことでしょう。また今後は大成建設独自のデータ連携システム「LifeCycleOS」の一環として、個々の技術を連携・運用することで、竣工後の維持管理も含めた業務プロセスの最適化を目指していきます。
パッケージ化とはメニュー化でもあります。状況に応じて技術の最適の組み合わせを実現することで、現場のシステム化はさらに進化していくことでしょう。また今後は大成建設独自のデータ連携システム「LifeCycleOS」の一環として、個々の技術を連携・運用することで、竣工後の維持管理も含めた業務プロセスの最適化を目指していきます。

プロジェクトメンバー


「これからの現場のキーワードはニューノーマルだと思います。現場を動かす我々自身が昔のノーマルに縛られず、考えを変えていくことが、DXの第一歩だと考えます」

「修正ゼロ、手戻りゼロがフロントローディングの目指すところです。一足飛びには難しいのが現実ですから、柔軟に対応したいと考えています」

「自分にできることは何かという発想で取り組み、リモート朝礼から始めてみました。“できることから”という発想は、現場のDXに不可欠です」

「DXと聞くとハードルを高く捉え、難しい技術と思いがちです。シンプルで使いやすい技術の活用からスタートすることも大切でしょう」