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無人化施工への挑戦

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無人化施工への挑戦

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約30年も前の災害復旧工事に端を発したDX

出発点は1991年──今から約30年前に遡る、雲仙普賢岳の火砕流災害現場でした。人の立ち入りが難しい警戒区域で、大成建設は重機の遠隔作業による災害復旧工事を行ったのです。「DX」という言葉が無かった時代から連綿と受け継がれてきた遠隔操作技術は、DXが進展している現在、無人化施工技術へと進化を遂げました。

複数の建設機械が、自律的にチームワークを発揮

大成建設では、2013年より自律型・遠隔操作型建設機械「T-iROBO®」シリーズを開発。一方で近年では建設機械メーカー自身も自動運転建設機械の開発に乗り出すようになりました。そこで大成建設が業界に先駆けて開発したのが、これら複数の建設機械と連携を取りながら作業を進める協調運転制御システム「T-iCraft®」。労働力不足の解消に大きな威力を発揮すると期待されています。
「T-iCraft®」の実証実験映像を見ると、4台の建設機械がごく自然に協調して「掘削・積込」「運搬」「敷均し」「転圧」といったそれぞれの作業を進めていることがわかります。これを操作しているのが一人とは、とても信じられないほど円滑な動きです。

自動化やデータの活用で、現場業務をスマートに

特徴は、異なるメーカーの建設機械や有人運転の建設機械が混在しても協調運転ができること。そのための共通のプロトコルの決定には、志を同じくする建設機械メーカーの協力を得ました。建設機械の協調は、企業同士の協調があってこそ生まれたのです。想定外のアクシデントの際は、瞬時に全体の動きをストップするなど安全面にも配慮。将来的にはAIとの連携で完全自律型の協調運転を目指し、さらなる生産性向上に寄与します。
一方、映像やIoTデータの活用で現場管理の省力化・効率化を図るのが「T-iDigital® Field」です。例えばカメラの映像データの確認で、山奥のダムの現場まで往復し検尺検査に立ち会う必要が無くなる。コンクリートの配合データの記録から、必要なコンクリートの配合や量、時期を本部が判断し、現場は管理業務から解放される──「T-iDigital® Field」は、そんな変革を現場にもたらします。さらには、蓄積されたデータを分析することにより、熟練工のノウハウ、暗黙知を形式知化して、「T-iCraft®」などの無人化・自動化のアルゴリズムの作成に貢献していきます。

現場への貢献は現場の声から始まる

導入済みのあるダムの現場では、職員の残業時間が月平均24時間減、発注者の残業時間が同60時間削減されるなど、目覚ましい成果が上がっています。ベースにあるのは、デジタルデータをサイバー空間上に取り込み現実と同じ空間を再現する「デジタルツイン」です。それを、いかにして現場で働く人のために展開するかという発想で進化しているのが「T-iDigital® Field」。
まさに“人のためのDX”の好例と言えるでしょう。現場所長や職員のブレーンストーミングもヒントとなっており、ここにも“現場のため”“人のため”が貫かれています。大成建設では今後もこうした自由闊達な意見交換を通じ、先進のテクノロジーを現場で活用する試みを続けていくことで、人がいきいきとする環境の創造を目指していきます。

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