CDO MESSAGE
建設業界全体を巻き込み変革していく、DXの取り組み
常務執行役員 社長室長 CDO 羽場 幸男

MESSAGE 01
大成建設がDXに取り組む意義
2021年5月に「TAISEI VISION 2030」を策定した際、当社グループに変革を迫る外部環境や構造変化を特定しました。その1つがDXであり、担い手不足等の課題解決や企業価値向上に向けた新たな成長エンジンであると考えています。
DXは、デジタル技術を使って業務プロセスや組織文化、ビジネスモデルを変革し、新たな価値を創出していくものですが、気をつけないといけないのは、デジタル技術はあくまで手段であり、企業として何をすべきなのか、どうありたいのかという「X」の姿を明確にしないと、成果は生まれないということです。
このような想いをふまえ、当社グループは、2024年5月に策定した「TAISEI VISION 2030」達成計画において、中長期事業戦略を実行していくために必要な「事業変革の進め方」の一つとしてDXを位置付け、推進しています。
MESSAGE 02
DXを加速させる鍵
DXを推進するうえでベースとなるものが「データ」です。
生成AIなど、デジタル技術の進歩は著しいですが、これらの技術を最大限に活かすための「データ」を経営資源と捉え、どのように蓄積し、整備していくのか。この部分をきっちり考え、推進していくことが重要です。
我々の主力事業である建設事業のデータ基盤として、今後、非常に重要となるものが、BIM/CIMです。BIM/CIMは我々の事業における結節点となっていくものであり、まずは生産プロセスに組み込み、活用するとともに、そこで蓄積したデータを経営の高度化、建設周辺事業におけるサービス・ソリューションにも展開していきたいと考えています。
また、DXを推進するうえで、AIもかなり強力なツールであると認識しています。ただし、AIが何でも実現してくれるかのような過剰な期待を持ってしまう傾向もありますが、あくまでツールであり、人がAIに使われるようであってはいけません。昨年12月に制定した「AIの適正な利活用に向けた宣言」のとおり、「人間中心のAI」という考えのもと、AIの利活用を推進していきます。
最後は人財です。DXは機械が勝手にやってくれるということはなく、デジタル技術とデータを使いこなせる人財が必要不可欠です。
そのため、社員のデジタルリテラシーを向上させるために設立した全社教育機関「DXアカデミー」には引き続き注力していきます。
一方、必ずしも「自前主義」にこだわっているわけではありませんので、社外ツールの採用や、ベンダーとの協働についても積極的に進めていきます。
MESSAGE 03
CDOとしての抱負
当社の建設事業、生産プロセスのDXは、土木事業の「T-iDigital® Field」、建築事業の「T-BasisX®」を建設現場のDX標準基盤と位置付け、着実に推進しています。ただし、現場のDXは大成建設だけで推進すれば良いということではなく、協力会社を含め、サプライチェーン全体で取り組んでいくことが重要であり、この点についても注力しているところです。
DXは、どうしても最初は取組を牽引できる一部の人財が中心となり推進するため、縦割り、限られた領域での取組になりがちです。
CDOである私の役割は、そこに横串をきっちりと刺して、取組を大きく横展開し、大成建設グループとしての一体感を出していく、ひいては、協力会社を含めたサプライチェーン、建設業界を巻き込み変革していくことと考えていますので、その役割を果たしていきたいと思っています。

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